昇仙峡は、山梨県甲府市、甲府盆地北側、荒川上流に位置する渓谷 | 日本の歴史と自然の美を楽しむ

昇仙峡は、山梨県甲府市、甲府盆地北側、荒川上流に位置する渓谷

昇仙峡(しょうせんきょう)は、山梨県甲府市甲府盆地北側、荒川上流に位置する渓谷である。特別名勝に指定されており、国内有数の景勝地である。「日本五大名峡」の一つに数えられる。

秋の昇仙峡 覚円峰

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概要

1923年(大正12年)に国の名勝に指定され、1953年(昭和28年)には特別名勝に指定されている。特別名勝としての指定名称は御嶽昇仙峡(みたけしょうせんきょう)であるが、一般には御岳昇仙峡と常用漢字体で書かれることが多い。秩父多摩甲斐国立公園に属し、同公園を代表する景勝地として知られる。長潭橋(ながとろばし)から仙娥滝までの全長約5キロメートルに亘る渓谷は、川が花崗岩を深く侵食したことにより形成された。渓谷内には、柱状節理の花崗岩および輝石安山岩の奇岩が至る所に見られる。日本二十五勝平成の名水百選等に選定されている。

渓谷は天神森地区の長潭橋から始まるが、途中の能泉地区までの渓谷沿いは車道が狭く、シーズン中の土日祝日は車両通行規制が行われ歩行者専用になる(平日は上り方向の一方通行)。その先の能泉地区から仙娥滝の間が渓谷のハイライトで、観光客の多くは駐車場が整備されている仙娥滝付近を中心に訪れる。年間を通して多くの観光客で賑わうが、自家用車で観光に訪れる者も多く、紅葉が見られる観光シーズンの11月の土日は、周辺の道路が渋滞するほど賑わう。そのため、公共(県営)駐車場もあり、観光施設や土産物店にも駐車場が併設されている。施設店舗を利用すれば無料のところがほとんど。

愛のかけ橋

歴史

金峰山信仰と昇仙峡

地理院地図 Googleマップ昇仙峡渓谷入口の天神森にある長潭橋
(2013年10月28日撮影)1927年(昭和2年)日本二十五勝に選定されたことにより、昇仙峡を主題にした新民謡作成のため訪れた野口雨情(中央の丸椅子に座る白い服の人物)。仙娥滝上の仙峡亭にて。

昇仙峡を含む奥秩父山塊には甲信国境に金峰山があり、古来から山岳信仰が広まり、甲府方面から昇仙峡を通過し金峰山頂に至る吉沢口など修験道の道として御嶽道が存在していた。

金峰山信仰は近世にも展開され、御嶽道は甲府方面の南口のみならず東口・西口方面からも山口九所と呼ばれる登拝口が整備され、南口の吉沢・亀沢・塚原の三ルートはいずれも昇仙峡を通過する街道として整備された。また、近世初頭には甲州街道が整備され甲斐には江戸から多くの文人が往来し、昇仙峡は地誌類を通じて山岳信仰のみならず甲斐の名所として広まった。

覚円峰

有明橋

近現代の昇仙峡

1887年(明治20年)には「御嶽昇仙峡」が命名され、大正時代には甲府市内から昇仙峡までの道路が次々と整備されて定期バスが乗り入れるなど観光地として一新された。

1902年(明治35年)には、正岡子規の門人で山梨県を拠点に活動を行った新免一五坊や「白雛会」を主催した堀内柳南神奈桃村ら山梨県の俳人が甲府市で「山梨文学大会」が開催される。同年8月25日には昇仙峡の御嶽新道へ赴いており、翌26日には甲府太田町望仙閣で批評会を行った。

1923年(大正12年)には、断崖絶壁・滝・奇岩・侵食・紅葉・アカマツ・岩山・荒々しい川の流れと植物が一体となった景観が評価され、史蹟名勝天然紀念物保存法により名勝指定を受けた。戦後には、1950年(昭和25年)に渓谷百選の一位に選ばれ、1953年(昭和28年)には文化財保護法により特別名勝となる。

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近代には山梨県の主要産業として観光業が振興される。1972年(昭和47年)には御岳昇仙峡有料道路(現在無料)が開通し、甲府市や山梨県の主要な観光地として整備された。1977年(昭和52年)にバス転落事故が発生し、死者11名負傷者34名が被害に遭った。

2009年には読売新聞社主催の読者が選ぶ「平成百景」において、富士山に次ぐ第2位に選ばれた。

石門

漫画・映画

つげ義春の『池袋百点会』のラストシーンに印象的に描かれた。後に石井輝男により1993年に映画化された『ゲンセンカン主人』のラストシーンにも登場する。主人公のつげをモデルにした津部役の佐野史郎と、福子役の岡田奈々が観光馬車で昇仙峡をゆく。

周辺の見どころ

1992年には仙娥滝の近くに昇仙峡影絵の森美術館が建てられ、藤城清治の作品を中心に影絵切り絵の作品が展示されている。同美術館は1994年に世界一の影絵美術館としてギネスブックに認定された。

交通アクセス

覚円峰の麓にある仙娥滝から弥三郎岳頂上にあるパノラマ台まで、昇仙峡ロープウェイが運行されている。所要時間5分、20分間隔で運行。晴れていれば山頂から富士山南アルプスを望むことができる。

新緑の覚円峰

弥三郎岳

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