十和田湖は、青森県十和田市と秋田県鹿角郡小坂町にまたがる湖 | 日本の歴史と自然の美を楽しむ

十和田湖(とわだこ)は、青森県十和田市と秋田県鹿角郡小坂町にまたがる湖

十和田湖(とわだこ)は、青森県十和田市秋田県鹿角郡小坂町にまたがる。日本の湖沼としては、最大水深は326.8mで第3位、面積では12番目。東岸には、十和田湖の水が唯一流れ出る奥入瀬川があり、北東に約14kmにわたり奥入瀬渓流が延びる。約20km北には八甲田山が位置する。

観光地となっており、冬季を除き遊覧船が就航している。内水ながら、国の地方港湾に指定されている港が2つある。奥入瀬渓流入り口の子ノ口(ねのくち)港と、十和田湖南岸の中山半島西側付け根にある休屋(やすみや)港である。

十和田湖は「十和田湖および奥入瀬渓流」として、文化財特別名勝及び天然記念物に指定されている。1936年には周辺の奥入瀬渓流、八甲田火山群とともに十和田八幡平国立公園に指定されている。西湖一帯はみなとオアシスに登録していて、十和田湖観光交流センターぷらっとを代表施設とするみなとオアシス十和田湖として観光拠点ともなっている(全国唯一の湖を登録したみなとオアシスである)。

Lake Towada from Ohanabe 2008.jpg

御鼻部展望台より十和田湖

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「十和田火山」の噴火史

十和田湖は火山の山頂部に水がたまったカルデラ湖である。中世以降は噴火の記録がないものの、「十和田火山」として防災行政の監視対象になっている。大規模な噴火が将来起きた場合、火砕流岩手県北西部を含む最大30km圏内に到達し、火山灰噴石はさらに広範囲に被害を与えるとのハザードマップが公表されている。

先十和田火山の活動が約160万年前~60万年前以前に見られる。約40万年の活動空白期を挟んで、十和田火山が約22万年前から活動を開始した。 その活動ステージは22万年前~6.1万年前の先カルデラ期、6.1万年前~1.55万年前のカルデラ形成期、1.55万年前~現在の後カルデラ期に分けられる。

22万年前から6.1万年前の先カルデラ期は、安山岩の溶岩流や軽石・スコリアを噴出した。

約10万年前からマグマの噴出量が増加し、約6.1万年前の噴火エピソードQ(奥瀬火砕流, 4.76 DRE km3以上)から低頻度で、流紋岩の大規模な火砕流を伴うカルデラ形成期となった。この活動期のうち、約3.6万年前の噴火エピソードNと(大不動火砕流, 17.87 DRE km3)、約1.55万年前の噴火エピソードL(八戸火砕流, 20.34 DRE km3)は特に規模の大きな噴火で、大不動火砕流や八戸火砕流は現在の青森市街まで到達している。

噴火エピソードLから現在は後カルデラ期と定義されている。この後カルデラ期では、カルデラ形成期と比べると噴火の発生が高頻度で、1イベントの噴出量が数km3DRE以下の活動となっており、デイサイトプリニー式噴火溶岩ドーム形成が主となっている。

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約1万年前に十和田カルデラの東南部で噴火によってカルデラ内部に五色岩(または五色台)火山が形成された。五色岩火山は初期に玄武岩を噴出し山体を成長させた。その後、安山岩・デイサイトを経て流紋岩を噴出するようになった。それに伴い爆発的噴火が多発し火口を拡大していった。そして、約6,200年前の噴火エピソードC(中掫軽石, 2.52 DRE km3)で火口壁が崩壊し第一カルデラの湖水が火口に流入した。これにより中湖ができたと考えられている。

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有史以降

915年延喜15年) 大噴火(噴火エピソードA)を起こした。マグマ噴出量は2.1 DRE km3火山爆発指数はVEI5。この際に御倉山溶岩ドームが形成された。この噴火は過去2000年間、日本国内で起きた最大規模の噴火であったと見られる。この噴火を直接記録した文献記録は現地では見つかっていないとされている。京都で著された『扶桑略記』には朝日に輝きがなく月のようだったという記録がある。

この噴火により大規模な火砕流(毛馬内火砕流)が生じ周囲20kmを焼払った。噴出物(主に火山灰)は東北地方一帯を広く覆い、甚大な被害をもたらしたと推定される。十和田火山の噴出物は通常偏西風に乗り十和田湖の東側に流れるが、この年の噴火では十和田湖の西側に流れている。これは夏のこの地方の気象現象であるやませが原因であると考えられている。東の三本木原は昔の十和田火山の噴出物でできているが、やませのため西側に降下した噴出物はラハールとなって米代川を流れ下り、流域の人家を埋没させた。胡桃舘遺跡は、この折に埋没した住居址である。これら大災害を人々は三湖伝説として語り継いだと考えられている。一方で、噴出物により広大な砂地が形成された結果、人々の居住に適した環境が整い居住者の増加に影響を与えた[15]と考える研究者もいる。

常時観測火山

2016年12月1日より十和田は気象庁の常時観測火山に指定されることとなった。

カルデラ壁

湖と環境

水質

かつて十和田湖西岸には17世紀中頃に発見された鉛山鉱山と十輪田鉱山があり、亜鉛を産出していた。この廃鉱山からの流入水は現在も湖水の亜鉛含有量に影響を与えていると考えられる。

生物

十和田湖周辺は冷温帯林(ブナ林)や亜寒帯林(ダケカンバ林)が広がり、クマタカイヌワシツキノワグマといった野生動物や森林性の野鳥(シジュウカラゴジュウカラアカゲラコゲラなど)が生息する。水鳥ホシハジロキンクロハジロホオジロガモカイツブリなど)も飛来する。

これら鳥獣の生息が重要であることから、国指定十和田鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されている(面積37,674ha、うち特別保護地区19,366ha)。

2008年4月、同湖で死んだハクチョウ3羽と衰弱したハクチョウ1羽が見つかった。同月23日簡易検査で鳥インフルエンザと推定されたため、同月27日動物衛生研究所茨城県つくば市)で再検査したところ鳥インフルエンザウイルス強毒性のH5N1亜型が検出されたと秋田県環境省が同月28日に発表した。

生息魚介類

火山火口にできたカルデラ湖であるため、人間が魚の放流を開始する以前に生息していた魚介類サワガニのみと考えられている。従って、現在生息している魚類の全てが人為放流された物である。記録に残る最初の放流は、1855年イワナとされている。1960年代に行われた調査では、下記が確認されている。

  • 魚類:ヒメマスニジマス、イワナ、サクラマスコイフナウナギカジカヨシノボリ、ワカサギ
    • サクラマスは奥入瀬川の銚子大滝に作られた魚道を通って天然魚が遡上して定着したが、「ヒメマスが捕食され繁殖を阻害する」との理由で魚道は破壊された。現在生息しているサクラマスは、その時に湖中に残された個体の子孫と考えられる。
    • ニジマスは、1900年と1919年に日光の中禅寺湖から移入された。
    • ウグイアユは定着に失敗した。
  • 甲殻類:スジエビ、サワガニ
    • スジエビは、1905年に八郎潟から移植され定着した。

ヒメマスなどは漁業釣りの対象となっている。

ヒメマス養殖

1903年に和井内貞行らによりヒメマスの最初の放流が行われた。十和田湖へのヒメマスの定着以降は、本州各地の湖への移植用卵及び稚魚の供給源として中禅寺湖とともに重要な位置を占めている。 1960年或いは1967年の調査で、流入河川ではなく湖底に産卵床を形成し産卵していることが確認されている。また、1975年と1976年に行われた調査では「漁獲魚のほとんどが放流魚の可能性が高い」との結果が得られたが、1945年前後は放流が全くなかったにも拘わらず、相当量の産卵が行われていた時期もある。湖畔の秋田県側の小坂町の生出(通称:和井内)地区には、ヒメマスの孵化場がある。

十和田湖湖畔の食堂のメニュー ヒメマスの塩焼き

観光

十和田神社が所在し、現在も観光施設や行政・公共機関(郵便局や学校など)、民家が多いのは、湖南岸で中山半島西側付け根の休屋地区(青森県十和田市)である。JRバス東北十和田湖駅や遊覧船乗り場など交通結節点であり、環境省の十和田ビジターセンターや旅館・ホテルなどがある。十和田科学博物館は休館中。

湖畔には1953年(昭和28年)に建てられた高村光太郎作のブロンズ像「乙女の像」があり、台座には国立公園化の実現に寄与した大町桂月、武田千代三郎、小笠原新一の功績が刻まれている。湖岸ではこのほか、青森県十和田市側の宇樽部、子の口や、湖の西南岸や西岸の秋田県小坂町側にも旅館・ホテル、キャンプ場、集落がある。十和田湖畔温泉としていくつかの旅館・ホテルでは温泉に入浴できる。秋田県側の十和田プリンスホテルは十和田湖西湖畔温泉を称している[。湖を取り巻く山々の幾つかには、湖面を見下ろせる展望台が設けられている。

青森・秋田県境にあるため、土産物屋では青森の特産物(りんごなど)と秋田の特産物(きりたんぽ樺細工)とが両方販売されている。

湖上には観光用の遊覧船が運航している。かつては十和田湖観光汽船(青森県青森市)の定期航路が開設されていたが、東日本大震災による東北観光の低迷などにより2013年に経営破綻。2014年5月からは十和田湖観光汽船(青森県十和田市)の従業員が十和田湖遊覧船企業組合(青森県十和田市)を設立したが、この航路も2016年に廃止となった。十和田湖遊覧船企業組合が事業を廃止した後も遊覧船は撤去されず、2017年3月時点でも放置された状態が続いている。これとは別に十和田湖には十和田観光電鉄(青森県十和田市)が定期航路を開設している。

イベント

毎年1月下旬(2月上旬) – 2月下旬には休屋で「十和田湖冬物語」が開催され、雪像やかまくらなどを見ることができる。 。また、20時頃から冬花火も打ち上げられる。ただし、この時期は近隣の国道102103394454号青森県道40号の一部区間が冬季閉鎖や夜間交通規制の対象となるため、来場する際は注意が必要である。特に18時以降は八甲田山周辺の通行ができないため、冬花火を見るなどしてこの時間帯に青森方面や黒石方面へ帰る場合は小坂インターチェンジ方面か十和田市方面へ大きく迂回する必要がある。

毎年7月の第三金・土・日曜日には「湖水まつり」が開催され、また7月下旬の日曜日には十和田湖一周道路(約50km)を約12時間かけて歩く「十和田湖ウォーク」が行われる。

十和田神社

十和田神社

十和田湖遊覧船

十和田湖遊覧船

複合艇による遊覧ツアー

複合艇による遊覧ツアー

ブロンズ像 乙女の像

ブロンズ像 乙女の像

アクセス

鉄道下車駅乗車路線所要時間下車停留所
東北新幹線盛岡駅岩手県交通盛岡・十和田湖号約2時間15分十和田湖下車
東北新幹線八戸駅JRバス東北おいらせ号約2時間20分十和田湖下車
東日本旅客鉄道(JR東日本)/青い森鉄道青森駅JRバス東北みずうみ号約3時間十和田湖下車
花輪線十和田南駅十和田タクシー八郎太郎号(デマンドバス)約1時間十和田湖下車
  • 空港
    • 大館能代空港より乗合タクシー(愛のりくん ・十和田湖号)
      • 十和田湖休屋・西湖畔下車(1時間55分 )

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