恐山(おそれざん、おそれやま)は、下北半島(青森県)の中央部に位置する活火山

恐山(おそれざん、おそれやま)は、下北半島(青森県)の中央部に位置する活火山である。カルデラ湖である宇曽利山湖の湖畔には、日本三大霊場の一つである恐山菩提寺が存在する。霊場内に温泉が湧き、共同浴場としても利用されている。恐山を中心にした地域は下北半島国定公園に指定されている。

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概説

恐山は、カルデラ湖である宇曽利山湖(うそりさんこ)を囲む外輪山と、円錐形の火山との総称である。最高峰は標高878mの釜臥山。外輪山は釜臥山大尽山小尽山北国山、屏風山剣の山、地蔵山、鶏頭山の八峰。「恐山」という名称の単独峰はない。

古くは宇曽利山「うそりやま」と呼ばれたが、転化して恐山「おそれやま/おそれざん」と呼ばれるようになった。「うそり」とはアイヌ語の「ウショロ(くぼみ)」に由来する。

火山としての恐山

恐山には史料に残された噴火記録はなく、地質調査の結果からも、最後の噴火は1万年以上前と見られている。しかし、カルデラ内の一部には水蒸気火山性ガスの噴出が盛んで、気象庁2007年12月1日より開始した「噴火災害軽減のための噴火警報及び噴火予報」の対象になっている。ただし、噴火警戒レベルを導入した43火山には含まれていない(2019年5月7日現在)。

火山性ガス

恐山の「地獄」付近には火山性ガス亜硫酸ガス)が充満していて、特有の硫黄臭が鼻を突く。むつ市の市街地でも、北西風のときは恐山の火山ガスによる硫黄臭を感じる時がある。

恐山を参拝した際、頭痛倦怠感を発症する者がいるが、これは霊的な現象ではなく、有毒ガスによる軽い中毒症状である。体力的に弱い高齢者や、身長が低く有毒ガスを吸い込みやすい幼児は注意が必要である。

恐山霊場には、鳥がほとんどおらず、草木も生えず、賽銭がひどく腐食しているとされているが、これは心霊現象ではなく、すべて火山ガスの影響である。また、川や湖の水が異常に透明であるのも、水に火山ガスが溶け込み、酸性値が高いため、生物の生育に適していないからである。

霊場内には多数の積み石が見られ、独特の景観を形づくっているが、これは地面から噴出する有毒な火山ガスを空気と効率よくなじませる意味合いも持っている。また風車も数多く置かれているが、これにも火山ガスの風下に入らないための工夫の意味合いがある。ちなみに線香ろうそくタバコ等は、火山ガスに着火する危険性があるため、所定の場所以外で使用してはならない。

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霊場としての恐山

宇曽利山湖の湖畔にある恐山菩提寺は日本三大霊場の一つであり、9世紀頃に天台宗の慈覚大師円仁開基した。本尊延命地蔵尊。同寺は現在は曹洞宗寺院であり、本坊はむつ市田名部にある円通寺である。恐山は死者の集まる山とされ、7月の恐山大祭では、恐山菩提寺の境内でイタコの口寄せも行われる。

  • 開山期間 毎年5月1日〜10月31日
  • 開門時間 午前6時〜午後6時
  • 入山料 500円(2016年5月現在)
  • 大祭典 毎年7月20日〜24日
  • 秋祭典 毎年10月第2週の三連休

信仰

恐山は、地蔵信仰を背景にした死者への供養の場として知られ、古くから崇敬を集めてきた。下北地方では「人は死ねば(魂は)お山(恐山)さ行ぐ」と言い伝えられている。山中の奇観を仏僧が死後の世界に擬したことにより参拝者が多くなり信仰の場として知られるようになった。明治・大正期には「恐山に行けば死者に会える」「河原に石を積み上げ供物をし声を上げて泣くと先祖の声を聞くことができる」「恐山の三大不思議(夕刻に河原に小石を積み上げても翌朝には必ず崩れている、深夜地蔵尊の錫杖の音がする、夜中に雨が降ると堂内の地蔵尊の衣も濡れている)」などが俗信された。

イタコの口寄せ

恐山大祭や恐山秋詣りには、イタコマチ(イタコがテントを張って軒を連ねている場所)に多くの人が並び、イタコ口寄せが行われる。なお恐山で口寄せが行われたのは戦後になってからであり、恐山にイタコは常住していない。また恐山菩提寺はイタコについて全く関与していない。イタコは、八戸や、青森から恐山の開山期間中にのみ出張してきており、むつ市には定住していない。

恐山温泉

霊場内には恐山温泉がある。4つの湯小屋は無料(参拝料は必要)であるほか、宿坊にも温泉施設がある。

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歴史

開山

伝承によれば、開山は862年貞観4年)、開祖は天台宗を開いた最澄の弟子である円仁(慈覚大師)とされている。同年に編纂されたとされている『奥州南部宇曽利山釜臥山菩提寺地蔵大士略縁起』[8]によれば、円仁がに留学中、「汝、国に帰り、東方行程30余日の所に至れば霊山あり。地蔵大士一体を刻しその地に仏道を広めよ」という夢告を受けた。

円仁はすぐに帰国し、夢で告げられた霊山を探し歩いた。苦労の末、恐山にたどり着いたと言われている。その中に地獄をあらわすものが108つあり、全て夢と符合するので、円仁は6尺3寸の地蔵大士(地蔵菩薩)を彫り、本尊として安置したとされている。

交通手段

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)大湊線下北駅から下北交通バス恐山線で40-43分(下記の開山期間のみ運行。1日4往復。ただし恐山大祭期間中と秋詣り期間中は増発あり)。以前は下北交通大畑線(旧国鉄大畑線)で市街地の田名部駅まで行くことができたが、下北交通の鉄道事業からの撤退により大畑線は廃止され、市街地を外れた下北駅からバスを利用しなければならなくなった。
  • むつ市田名部より恐山街道青森県道4号)。山門前に約300台駐車可能の駐車場有り。無料。
所在地青森県むつ市田名部字宇曽利山3-2
山号恐山
宗派曹洞宗
本尊地蔵菩薩
創建年(伝)貞観4年(862年
開基(伝)円仁(慈覚大師)
正式名恐山 伽羅陀山菩提寺
札所等津軽三十三観音番外札所
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