杵築市北台南台伝統的建造物群保存地区 | 日本の歴史と美景

杵築市北台南台伝統的建造物群保存地区

杵築市北台南台伝統的建造物群保存地区(きつきしきただいみなみだいでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく)は、大分県杵築市にある伝統的建造物群保存地区。かつての杵築藩城下町武士の居住区である。2017年(平成29年)11月28日重要伝統的建造物群保存地区として選定された。

北台と南台を結ぶ酢屋の坂(奥)と塩屋の坂(手前)

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概要

杵築の中心部は、守江湾に向けて東に延びる台地が、中央に走るによって南北に分けられており、北側の台地は北台、南側の台地は南台と呼ばれる。

かつて杵築藩の城下町であった時代には、北台と南台がそれぞれ武家地とされ、その間の谷や台地の周囲が町人地とされていた。このような構造はサンドイッチ型城下町といわれ、日本唯一とされている。北台と南台の間は多数の坂で結ばれ、酢屋の坂や塩屋(志保屋)の坂をはじめとする石段や石積みの坂道が、この地区の歴史的景観を特徴付けている。

2つの台地の間や周囲に広がる町人地は、戦後、道路が拡幅されたが、北台及び南台の武家地には杵築藩時代の地割がよく残っている。また、北台、南台ともに江戸時代に数度の大火に遭っているが、その都度再建されており、江戸時代末期の武家屋敷がよく保存されている。

  • 所在地 – 大分県杵築市大字南杵築字本丁及び字カブト石の全域並びに大字杵築字下町、字谷町、字北台、大字南杵築字梅ヶ小路、字台茶屋及び字裏丁の各一部
  • 種別 – 武家町
  • 面積 – 約16.1ha
  • 選定基準 – (ニ)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの
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谷が分かつ南北の台地に築かれた、坂が特徴的な武家町

 北台南台伝統的建造物群保存地区(北台南台伝建地区)は平成29年11月28日、「その価値が高い」と認められ、福山市鞆町伝統的建造物群保存地区(広島県福山市)と共に国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されることが官報告示されました。重伝建地区の選定については同年10月20日に国の文化審議会から文部科学大臣に答申が行われていましたが、この官報告示を受けて選定が正式にされたことになります。
 これにより、重伝建地区は全国で117地区となり、北台南台伝建地区は、県内では平成16年の日田市豆田町伝統的建造物群保存地区に次いで、2番目の選定です。

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保存地区である北台と南台の武家地は住宅地として今日に至り、正保以来の藩政期の地割を良好に留め、武家屋敷も良く残っています。
 北台と南台は酢屋の坂、塩屋の坂を介して南北の道で結ばれ、台地上には家老丁、本丁、裏丁等の区画がなされ、杵築藩の家老等の上層藩士の居住区でした。敷地は石垣などで造成して土塀などで囲い、通りに面して長屋門や薬医門などの門を開きます。武家住宅の主屋は茅葺や瓦葺で、式台を構えて格式を示しました。主屋と門の間には前庭を設け、目隠しとなるソテツやマツを植えます。代表例としては、県指定文化財の大原邸や市指定文化財の磯矢邸などがあります。

南北台地上に区画された杵築城下の武家地で、藩政期の地割を踏襲し、近世武家住宅の主屋と門及び、その形式を受け継いだ近代の住宅主屋を伝統的建造物として良く残しています。高低差のある地形を生かして天然の要害を成し、坂を巧みに配した武家地は、石垣や石段、土塀などによって、雄大で独特な景観を形成しています。

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