筑波山は、日本の関東地方東部、茨城県つくば市北端にある標高877mの山 | 日本の歴史と自然の美を楽しむ

筑波山(つくばさん)は、日本の関東地方東部、茨城県つくば市北端にある標高877mの山

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筑波山(つくばさん)は、日本関東地方東部、茨城県つくば市北端にある標高877mの筑波山神社境内地で西側の男体山(標高871m)と東側の女体山(標高877m)からなる。雅称は紫峰(しほう)。筑波嶺(つくばね)とも言い、茨城県のシンボルの一つとされている。

Mount Tsukuba seen from the WSW (2006).jpg

茨城県の筑波山を西南西から望む

概要

富士山と対比して「西に富士、東に筑波」と称される。茨城県の県西地方からの眺めが美しいとされる。全域が水郷筑波国定公園に指定された保護エリアであり、中腹から山頂付近は特別保護地区(自然公園法)に指定され筑波山神社境内地となっており、古くから樹木および木竹以外の植物の損傷・植栽、動植物の捕獲・採取等が禁じられてきたほか、火器の無許可使用、リード無しのペット散歩等の行為も禁止されている。『万葉集』にも詠まれ、日本百名山日本百景の一つとされる。百名山では最も標高が低く、開聞岳(標高924m)とともに1000m未満の山。独立峰にみえるが、実際には八溝山地最南端の筑波山塊に位置する。火山と誤解されることもあるが、実際には火山ではなく、隆起した深成岩花崗岩)が風雨で削られて形成されたとされる。なお、山頂部分は斑れい岩からなる。

高さは長らく三角点標高である876 mとされていたが、1999年に最高点の877 mに変更された。

筑波山は石岡市および桜川市にもまたがる。男体山・女体山山頂には筑波山神社の本殿があり、山腹には拝殿がある。『常陸国風土記』には筑波山の神が登場する。筑波山神社拝殿には坂東三十三箇所25番札所の筑波山大御堂(中禅寺)が隣接する。筑波山は、ガマの油売りの口上などでも知られる。山中には巨石、奇石、名石が数多く散在し、それぞれに名前がつけられ、多くの伝説を生み、それらに対する信仰が今日でも受け継がれ、山そのものが「神域」として崇められている。筑波神社境内社や随神門など、県や市の指定文化財となっているものが多数存在する。開山以来、「結界」が張られており、荒れた時代もあったが、現在でも「霊山」であり山の万物が「神体」とされている。「夜間は男体・女体の神々が御幸ヶ原に出現する」ため「二人の遊楽を妨げてはならず入山しない」とする文化がある。

関東平野を一望するロケーションの良さからアマチュア無線用中継局・筑波山レピータもある。関東平野の北東部にあることと、同平野では希有な独立峰的な山であることから、気象観測無線通信の上でも重要な拠点とされ、山頂付近には数多くのアンテナが存在する。1893年に山頂付近で気象観測を開始した後に筑波山測候所が置かれ、2006年からは筑波大学による筑波山気象観測ステーション(2016年筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所へ改称)として男体山頂にて観測を行っている。

筑波山からは富士山の美しい景観を眺められるため、2005年関東の富士見百景に選定された。2007年日本の地質百選に選定。

旧日本軍では「真珠湾攻撃を実施せよ」を命じる隠語は「ニイタカヤマノボレ(新高山登れ)」であったが、「直ちに帰投せよ」を表す隠語は「ツクバヤマハレ(筑波山晴れ)」であった。

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山名の由来

由来については異説が多い。

最も古い説は『常陸国風土記』にある、筑箪命(つくはのみこと)という人物に由来するというもの。同書によれば、筑波周辺は紀国(きのくに)と呼ばれていたが、美麻貴天皇(みまきのすめらみこと。後の崇神天皇)の治世に、国造に任命された采女臣氏の友属(ともがら)の筑箪命が、「我が名を国につけて、後世に伝えたい」と筑波に改称したという。同書はまた、筑波が俗に「握飯筑波」とも呼ばれたと記している。

より学術的な考証は、以下のとおり。

  • 縄文海進により、縄文時代の筑波山周辺には波が打ち寄せていたと考えられ、「波が寄せる場」すなわち「着く波」(つくば)となった。
  • 縄文時代の筑波山周辺は海であり、筑波山は波を防ぐ堤防の役割を果たしたため「築坡」(つきば)と呼ばれ、のちに筑波となった。
  • 「つく」は「尽く」で「」を意味し、「ば」は「端」を意味する。
  • 新たに開発して築いた土地として、「つくば」は「築地」ないし「佃地」を意味する。
  • 「つく」は「斎く」(いつく、神を崇め祀る)あるいは「突く」(つく、突き出す)であり、「ば」は「山」を意味する。
  • 「平野の中に独立してある峰」の意の「独坡」にちなむ。
  • アイヌ語tuk-pa(とがった頭)またはtukupa(刻み目)にちなむ。
  • 歌垣の習慣にちなみ、マオリ語tuku-pa(交際を許される)に由来する。
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観光

筑波山からの眺め

筑波山には中腹から山頂付近まで、筑波観光鉄道によりケーブルカーおよびロープウェイが運行されている。これらを利用して登ることができるほか、いくつかのルートで登山道が整備されているので、麓から歩いて登頂することもできる。このほか、オリエンテーリングパーマネントコースも整備されている。行楽客が多く訪れ、ゴールデンウイークや秋の紅葉シーズンには交通渋滞が深刻なため、茨城県、つくば市、筑波大学などにより「筑波山周辺渋滞対策協議会」が設けられるほどである。

ケーブルカー

筑波山神社拝殿横の宮脇駅より男体山山頂近くの御幸ヶ原まで筑波山ケーブルカーが運行される。宮脇駅は関東鉄道などの「筑波山神社入口」バス停下車、徒歩(門前町を通り抜ける)。宮脇駅に近い「筑波山神社前」への一般路線バス乗り入れ廃止により、路線バス停留所とケーブルカー駅の間の距離は廃止前より200mほど長くなり、さらに経路上には坂道や石の階段も存在するため、移動におよそ20分ほどを要する(途中には土産物店、そば店などの店、神社拝殿があり、この経路も観光・参詣の一環である)。

ロープウェイ

つつじヶ丘レストハウスに併設されたつつじヶ丘駅より女体山山頂まで筑波山ロープウェイが運行される。つつじヶ丘駅は関東鉄道などの「つつじヶ丘」バス停前である。

筑波山ケーブルカー

筑波山ロープウェイ

登山

山頂方面へは7つの登山コースが指定されているが、いずれも岩場や急勾配となっている箇所がみられる。遭難防止や自然保護の観点から、指定登山道以外への立ち入りは市、県、地権者、警察署等の協議により原則として禁止されている。

JR水戸線岩瀬駅よりスタートし、御嶽山雨引山燕山加波山丸山足尾山きのこ山弁天山、筑波山の順に筑波連山を縦走する登山者も多い。この縦走路は関東ふれあいの道の茨城県コースNo.7 – 11である。

御幸ヶ原コース

筑波山神社の西側からケーブルカーの筑波山頂駅までほぼ直登するコース。高低差があり勾配はやや急。途中でケーブルカーのすれ違いが見られることがある。男女川の水源もある。所要時間:登り90分/下り60分距離:約2.5km標高差:約610m

白雲橋コース

筑波山神社の東側から女体山側へ登るコース。登山道入り口前にある白雲橋からは、土木学会選奨土木遺産に認定された筑波山千寺川砂防堰堤群が見られる。山頂近くでは「弁慶の七戻り」「高天原」「胎内くぐり」「出船入船」などの奇岩、巨岩が見られる。急勾配や岩場もやや多い。所要時間:登り110分/下り95分距離:約2.8km標高差:約610m

迎場コース

つつじヶ丘から白雲橋コースの麓近く、酒迎場分岐まで行くコース。岩場が少なく、また標高差もそれほどない比較的楽なコース。所要時間:登り40分/下り35分距離:約1.6km標高差:約190m

おたつ石コース

つつじヶ丘から尾根伝いに登り、白雲橋コースと弁慶茶屋で合流する短いコース。筑波山ロープウェイのルートに沿っており木々の間からゴンドラが見える。つつじヶ丘側は木が少なく見晴らしがよい。所要時間:登り40分/下り35分距離:約1.0km標高差:約200m

深峰遊歩道

「ユースホステルコース」と呼ばれたが、中腹にあった筑波山ユースホステルは廃業して解体されたために森林管理署図版ではこの名称を用いる。「旧ユースホステルコース」とも記載される。関東ふれあいの道の茨城県コースのNo.10「筑波山頂めぐりの道」のコースの一部でもある。登山道は整備されていて幅も広く、登りやすい。所要時間:登り40分/下り35分距離:約1.2km

薬王院コース

西側の薬王院と男体山の自然研究路をつなぐ長いコース。途中、つづら折りの階段がある。距離:約2.5km

キャンプ場・女体山コース

北側の筑波高原キャンプ場から女体山へ登るコース。利用者が少なく、道が一部整備されていない箇所がある。

弁慶七戻り

母の胎内くぐり

ガマ石

アクセス

かつては筑波鉄道筑波線筑波駅が筑波山へのアクセスを担っていたが、1987年の筑波線廃止以降、筑波山への公共交通機関によるアクセスは後退していた。その後、2005年首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス(TX)の開業と同時につくば駅前からのシャトルバスの運行が開始され、公共交通機関によるアクセスの利便性は向上した。

つくば駅から

つくばエクスプレスつくば駅(つくばセンターバスターミナル)から関東鉄道などの「筑波山シャトルバス」筑波山行きに乗車すると中腹まで乗り換えがない。約40分で門前町にある筑波山神社入口停留所、約50分でロープウェイ駅のあるつつじヶ丘停留所に着く。この方法では、東京・秋葉原から最短2時間11分で女体山頂に到達できる。山麓(南麓)を目指す場合は、つくバス北部シャトル筑波山口行きに乗車し、筑波山口停留所下車。首都圏新都市鉄道が発行する企画乗車券「筑波山きっぷ」はどちらか選択して乗車が可能。ただ、多くの徒歩登山者は、つくば駅から中腹までバスを利用することが多い。

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筑波山(女体山)

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